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7月セールのお知らせ

当店ご利用のお客様へ
ジャンル別のセールですが
今回は趣向を大きく冒険したセールを
2本柱にてとり行います。

ご利用お待ちしております。


7月1日から7月31日限定セール
今回は2つのセール同時進行です。

USED品お持ち帰り総額5万円以上お買い上げ、10%引きセール

通販の方USED品単品売価5万円以上全品、送料代引き手数料無料セール
(スピーカーシステムとスピーカーボックス除く)
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7月セールn

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オーディオケーブルのお話

AudioNirvanaのフルレンジユニットの話をしましたが、スピーカーを鳴らすためにも、またオーディオの信号を伝達するためにも、必ず必要になるのがオーディオケーブルですね。

ところで皆さんはどのようなケーブルを愛用されているでしょうか?


ホームセンターでも買える安価なケーブルから、10万円/m超えの超高級ケーブルまで、世の中にはたくさんのオーディオ用ケーブルが存在します。


今回はそんなオーディオには欠かせないケーブルについて少しお話をしたいと思います。

オーディオテクニカRCAコード

ウエスタンエレクトリック(Western Electric)アカ


アンプとCDプレーヤーを繋いだり、アンプとスピーカーを繋ぐために必要不可欠なケーブルですが、世の中にこれだけの種類があるとどれを買えばいいのか迷われる事も多いのではないでしょうか。


実際すべてを試聴して選んでいけばいいのですが、1メートル数十円や数百円のケーブルならたくさん買い込んで比較試聴もできますけど、意外とどんぐりの背比べみたいなところもありますし、かといって1メートル数万円もするような高額ケーブルは簡単には買えません。


そうなれば雑誌などの評価記事を読んで参考にしたり、マニア同士の情報交換の場などで噂にあがる評判を参考にしたりと、なかなかこのジャンルも悩みが尽きない世界ですね。


もちろんなかにはケーブルなんかでそんなに音は違わないだろうという方もいれば、ほんのわずかな長さの違いで、音の違いに敏感に反応する人もいます。


「小生は○○の奏でる○○の音に陶酔しているぅ~!」

と現状の音に十分満足されている方には必要ない話ですが、常に音質を改善しようと日々努力されている方にとっては、このケーブルの変更は非常に重要なチューニングのひとつかもしれませんね。


さて私はといえば、ケーブルで音が大幅に変わるのは十分承知しています。

素線の材質や絶縁体の材質、またケーブルの構造などによって、それぞれ固有の傾向の音があるのも事実です。

たとえばスピーカーケーブルを見ても、通常の平行線もあれば、4芯のスターカッド構造、同軸構造、リッツ線構造など、それぞれ素線の材質や絶縁体の材質、それに太さなどの違いで数多い製品が世の中にはございます。

オーディオテクニカ アートリンク スピーカーケーブル AT-ES1100


しかも素線による音の傾向や構造による音の傾向、また絶縁体による音の傾向など、それぞれ様々な音質傾向があります。

その中から自分好みのケーブルを探すのですから、これも至難の業といえるかもしれませんね。

仕方なく雑誌の評価記事を参考に買ってみたものの・・・

「だまされたぁぁぁ~」

となる事も・・・


さて私が使用しているケーブルですが、実はもう20年以上の長きに渡り基本的に変更していません。

途中で新しく買い換えたりした事もありますが、その間同じブランド同じ銘柄で一切変更していません。

理由は単純な話ですが、私が求める方向性でこれ以上の新製品が出ていないからです。

もちろん今までにも様々なケーブルを比較試聴しましたし、1メートル10万円以上もするような、水道ホースみたいな極太の超高額ケーブルなども比較試聴しました。

そのような経歴はあるものの、やはり求める方向性と大きく異なると理由で、現在使用中のケーブルから変更を行っていないだけです。


世界中の各メーカーからは斬新なアイデアや様々な技術を投入したケーブルも日々生み出されていますけど、ただ単純に自分が求めるものに出会っていないだけなのです。


皆さんはどのようにしてオーディオケーブルの良し悪しを決めているでしょうか?

一般的にはお気に入りの音楽をかけて、その中でも自分が最も心地よい音を出すものを良い音として決め、自分の好み以外のものを悪い音として決めていると思います。


もちろんこのような試聴による選別は間違いではありません。


オーディオマニアの方の中にはこの方法を選別の基準にされている方もいると思いますが、私は人の声を基準として選別します。

自分の声を自分で聞いても判りませんが、自分の声を他人に聞いてもらったり、あるいは親しい家族や友人知人の声を再生して確認したりする方法です。


この方法で何がわかるかといえば、ケーブルの音色の傾向がリアルに判別しやすいのです。

私はこの方法を元にアンプの選択とケーブルの選択をしました。

マイクやスピーカーなどの音質傾向や癖はあるとはいえ、それを差し引いてもケーブルやアンプの音色の傾向が如実に現れやすく、しかも普段聞きなれた声ですからその傾向を掴むのも容易いのです。

その中で単純に最も色づけ傾向の少ないアンプやケーブルを選んだだけです。


その方法で選んだケーブルとは、RCAコードはモガミ電線の2803、スピーカーケーブルは同じく2804という型式のケーブルです。

かつてはたまにオーディオ雑誌にも載ることもありましたけど、今では噂にさえあがりませんので、多くの方はご存じないケーブルかもしれません。


mogami2804


基本的に外径は同じで、構造的には中空同軸構造のケーブルです。

上の画像はスピーカーケーブルのモガミ2804になりますが、参考までにオーディオテクニカのRCAケーブルと並べてみましたが、その細さに驚かれる方も多いのではないでしょうか。


しかしRCAケーブルの2803もそうですが、実はこれだけ細いのもかかわらず、外皮や内部の絶縁体は非常に硬質なため、小さなアールで曲げる事ができません。


ケーブルの構造は中空同軸という形状で、簡単に言えば外側と内側の素線が一本一本横一列に並んだ中空構造で、極端な話薄い銅箔を筒状にしたものが入っているような感じです。


ご存知の方もいると思いますが、オーディオの信号は様々な周波数の合成です。

そこに表皮効果という現象がおきます。

これはケーブルの断面積を思い浮かべてもらえば判るのですが、周波数が高くなればなるほどその信号は断面の中心を流れにくく、外側の外皮近くに集中しやすくなるのです。


つまり太いケーブルの中心も外皮付近も、低い周波数は流れるのですが、高い周波数は外皮周辺のごくわずかな断面しか流れないのです。


そのため単純な発想で言えば、太いケーブルほど低い周波数の信号には有利で、高音域はエネルギーが落ちていくハイ落ちの傾向を示します。

これは太いケーブルほど表面積に対して断面積の割合が大きくなるからです。

そのような問題を解決するために、世の中には薄い銅箔状のケーブルが存在するというのも、この表皮効果を避けるため、表面積に対する断面積の割合の増加を抑える目的があるからです。


さてそのモガミのケーブルですが、外径が細いだけにとどまらず、表皮効果によるハイ落ちを避けるために表面積に対して断面積を抑えるために素線一本一本が非常に細く、その加工自体も非常に神経を使います。

mogami2804


外皮を剥くにも一苦労で、中の素線にカッターの刃などが触れるとすぐに断線してしまい易く、ただでさえ細いケーブルのため、その素線1本の欠落も音に影響が出てしまいやすいのです。

mogami2804

ご覧のように外側の線は横一列に綺麗に絶縁体に巻きつけられた構造です。

mogami2804

中の素線も中心にある絶縁体に横一列に巻きつけられている中空同軸構造です。

一般的な同軸ケーブルの場合、中心線は撚り線になっている場合が多く、外側は編み線というのも多く見られます。

しかしこのように極薄の中空同軸構造というのは非常に珍しい形状です。


最近知りましたが、RCAケーブルの2803は、ドイツのオーディオ雑誌のRCAケーブルの原器として認定されているそうです。


さて音の傾向ですが、例の人の声の実験から判断すれば、圧倒的に色づけが少なく、クリアーで透明感が高く、音の解像度も非常に高く、超ハイスピードな信号の伝達という感じです。

そのため巷で言われるような低音の締りとか、音場感の再現とか、輝くような色艶とか、そのような表現とは異なる次元の音質になります。

そのような理由で現在もこれを超えるケーブルに遭遇していないために変更していないのですが、このケーブルを多くの方にお勧めできるかといえば、それはまた難しい話といえるでしょう。


まず通常のケーブルと異なり、ハイ落ち傾向を示さないため、バランス的に高音域が強いと感じる場合もあるでしょうし、非常にハイスピードな低音を再生するのですが、それが低音の量感がないとか低音域が不足気味として感じられる事もあり、そのような意味では一般的に聞き馴染んだケーブルとはバランス的に異なって聞こえやすい場合があります。


またケーブルも非常に細いため、特にスピーカーケーブルなどインピーダンスの低い信号のやり取りなどの場合、長さがもろの影響を与えやすいため、スピーカーの近くにアンプを設置する必要性もあります。

先ほどのように加工も非常に困難で、曲げなどにも非常にやりにくいケーブルですので、使用上非常に神経質で使いにくいものです。

音楽ソースやプレーヤー、アンプなどの音もストレートに表現してしまい、組み合わせによっては粗ばかりが目立ち易くなることもあり、必ずしもそれがいい音であるとは限らないのです。


逆に一般的に販売されているケーブルの多くは、様々なアイディアを盛り込まれ、そのような細かい影響を受けにくいように音作りされている場合も多く、その音が好みの音であるのならそちらを使用するほうが賢明です。


そのようなわけでアンプもケーブルもずっと同じものを使用してきているわけですが、これはあくまでもストレートにできるだけ色付けを排除した音楽を聴きたいためという理由であって、絶対これが最高だなんていう話ではありません。


世の中に様々な音を奏でるオーディオ装置が日々生み出されるのも、それだけ多様した音の好みがあるからですので、その中から自分の好みを見つけ出し、そして育てていくものではないでしょうか。


そのような音の傾向を掴むためにも、一度聞きなれた人の声を利用してみるのもひとつの手です。

そしてその好みの傾向が見つかると、おのずとそのような音作りも容易くなります。


その音作りのひとつとして、ケーブルを変えて作り上げるのもまた楽しいものですね。

と話が長くなってしまいますので今回はここまで。


また次回楽しい話をしていきたいと思います。


YAMAHA GT2000その後

YAMAHAのGT2000というアナログプレーヤーの、YSA-2というアームパイプの改造に関して数回に分けて話してきました。

たぶんアナログに興味のない方にとっては退屈極まりない話ですし、ましてや絶滅危惧種のアナログの話など、多くの方にとってもほとんど無縁の話かもしれません。

それならCDプレーヤーやPCオーディオなど、最新のデジタル機器の話のほうがより多くの方が興味がある話ですし、そのような話をすれば喜ばれるかもしれないのですが、次世代の情報量が多いデジタル音源には興味があるものの、元来アナログ人間なので、どうしてもアナログの話をしたくなってしまうのです。



さて一連のアームパイプ改造の発端ですが、GT2000の音が少しおかしいという事から、YSA-2というGT2000オプションのトーンアームの軸受け部分のオイルの劣化のメンテナンスがきっかけでした。

アナログをやられない方には何の話?という事でもあるのですが、再生装置も含めて音の出方が非常に敏感に反応するシステムになると、このようなわずかな機械的不具合も音となって現れます。


でも私のところの一連のブログを読まれている方はご存知のように、現在メインスピーカーに使用しているのはAudio Nirvana 6.5 ALNICOという16センチのフルレンジです。



ちょっとした工夫は次回またお話しますが、このAudio Nirvanaのフルレンジは、そんな悪条件下で鳴らしても、その微妙な音の違いをあからさまに聞かせるほどの実力があるのも事実なのです。



と前置きはこのくらいにして、一連の改造の発端となった音の違いをなぜ感じたのか、実はその時鳴らしていたレコードに秘密があります。

それはブラムースの曲のレコードですが、実はこれが再生困難レコードと私が勝手にあだ名をつけたレコードなのです。

1 709


アナログを鳴らされている方は、通常テスト用に高音質の録音をされたレコードなど、ここ一番のお気に入り盤として聞かれているかと思います。


もちろん私も高音質の録音のレコードを捜し求め、シェフィールドやLINN オーディオラボやロブスター企画など、様々な高音質盤をテスト用として聞いてきた経緯があります。


しかし今回ご紹介した再生困難レコードは、購入店は覚えていないのですが、中古盤として手に入れたものです。


そしてこの再生困難レコードですが、初めて音を聞いたときめまいがするほど音が悪いと感じたものです。


つまり高音質盤などではなく、音に透明度もなく煌びやかに響く事もなく、音が塊のように聞こえ、なんともひどいものを買い込んでしまったと当初思ったものです。


そのころはほとんど高音質盤ばかりを中心に聞いていましたのでなおさらです。


もちろんジャズのようにスタジオ録音など出来ないフルオーケストラのため、どうしても高音質録音も難しいという事もありますが、これがクラッシックはこう聞け!!!的な個性的なカートリッジやプレーヤーで聞いてる分には気にならないことかもしれないのですが、当時はその音質の悪さばかり気になるレコードだと思ったものです。


でもこれが新たなアナログ再生の方向性を指し示すきっかけとなりました。


実はそれまでも非常に気になっていた事ですが、GT2000はダイレクトドライブのため、どうしてもその音がターンテーブルに乗ってしまいます。

そしてその音がカートリッジに伝わり、結果として音を濁していました。

それまではプレーヤーは硬くて重くて大きいものがえらいと思うような考えでしたが、それが必ずしも正しくはないのでは?と気づかせるきっかけになったレコードでもあるのです。

結局このレコードをうまく鳴らせないのはプレーヤーのセッティングや使いこなしに問題があるものだと思い、結果的にターンテーブルからターンテーブルシートを浮かせて鳴らすなんていう発想が生まれたのも、このレコードをうまく鳴らしてみたいと思う事が始まりでした。


実際このレコードをうまく鳴らすことが出来ると、高音質盤のレコードはものすごく激変するのはもちろん、他のレコードも非常にクリアーで繊細に鳴るようになります。

つまりこのレコードをまともの鳴らせないシステムの場合、どれほど高音質のレコードをかけてもうまく鳴っていないという事なのです。


高音質盤のレコードの中には、どのシステムで鳴らしても同じように聞こえるようなものもありますので、それがうまく鳴っていると勘違いを生みやすい事もあります。


その点この再生困難レコードはごまかすことが出来ず、システムの悪いところそのままの音でしか鳴らすことが出来ないのです。


もちろん一連のアームパイプ改造の時も、テスト視聴用として活躍しました。


その結果このレコードに瑞々しさが感じられるようになり、繊細でその演奏の素晴らしさまでもよく聞き取れるようになりました。



さてアームパイプ改造後、以前からちょっと気になっていた小改良を思い出しました。


それはターンテーブルシートを浮かせている材質の変更です。


銅盤 真鍮盤 コインやワッシャー、アクリル板など、様々な材質のものでターンテーブルシートをターンテーブルから浮かせ、ダイレクトドライブの音の濁りを解消しようと何度も試みました。


アームパイプ改造時は、薄い段ボール2枚重ねにセーム革で浮かせた状態で行い、実際しばらくこれがベストだと思い聴いてきた仕様です。


ゴムマットやコルクなどの場合、振動は吸収するものの、その振動がなかなか減衰しないようなところもあり、また音楽の躍動感なども消し去ってしまうつまらない音になりました。


逆に金属系やアクリルやガラスなどハード系の場合、固有の共振モードが変化するだけで、なかなか思うような効果も見出せませんでした。


意外とよかったのがセーム革で、しかも薄い段ボールを重ねたほうがよりクリアーな音になり、微小な音もよく聞き取れるようになったのです。


実はこの段ボールですが、前々から変えてみたいと思う事もあり、アームパイプの改造も一段落ついたので変更してみる事にしたのです。


使用したのは100円ショップで売っていた、ポリエステル100%のフェルトです。

1 708


厚みも薄い段ボールと同じほどで、一度試してみたいと思っていたのです。


以前綿系のフェルトを試した事があったのですが、そちらはゴム系に似た傾向であまり相性がよくなかったのですが、このフェルトはなんとなくよさそうな感触を感じたので試してみたくなったのです。

値段も100円で楽しめますからね。


そこでターンテーブルの上に、円盤状に切り抜いたフェルトを2枚乗せ、その上にセーム革を乗せて、アルミ製ターンテーブルシートを浮かせました。


1 715


そして視聴・・・


かなりびっくり!!!


一瞬ターンテーブルを手回ししているのかと思うほど、驚くほど静かでクリアーな再生音です。


例の再生困難レコードが、こんなにも奥行きがあり、こんなにも細かい表現の演奏をしていたのかと思う音が出てきました。


アームも変えて感度がよくなっている事も影響しているのでしょうが、100円で激変!


正直これも驚きですね。


もちろん組み合わせるターンテーブルシートによっては評価が逆転する場合もあるかもしれませんが、私のGT2000ではとても良い相性なのかもしれません。


こうやってみると、アナログ再生はきりがないですね。


CDプレーヤーのように、線をつなげば誰でも高音質が楽しめる世界とは違い、一つ一つのセッティングやチューニングがダイレクトに音に反映されてしまうアナログは、難しい面があるもののまたそこが楽しいのかもしれません。


もちろんCDプレーヤーにしてもアンプにしても、その使いこなし方次第では音は激変しますので、そんなオーディオの探求が、多くのマニアの心をつかんでしまうのでしょうね。


さてGT2000の次なる改良は、やはり経年劣化でひび割れが生じているアームベース周辺の修正と改良になりますね。

1 710

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結構痛みを感じさせる外観ですので、こちらはすぐにとはいきませんが、エンジンなどのアルミ補修用の充填財などを利用して、修正と音質改善を兼ねた手をかけないといきませんね。


それはまた日を改めて行いたいと思います。


ちょっと長くなってしまいましたが今回はここまで。


次回は久しぶりにAudio Nirvanaのお話をしたいと思います。


コンセントスタビライザーの効果は?

今回前回の続きで
アコースティックリバイブ社の電源グッズをご紹介いたします。

img_cs2q.jpg

コンセントスタビライザー [CS-2Q]
定価14,800円(税別)税込価格15,540円

一見ホスピタルグレードのコンセントのオスプラグにしか見えません。

メーカー様の説明そのまま表記しますと、

原理・構造
壁コンセントや電源タップ、機器の補助電源などの空きコンセントは、導通部がバネ性の素材で出来ているため、スピーカーからの振動やAC100Vの電流によって振動し、場合によっては共振を起こします。
この振動がノイズや歪みの原因となり、再生音を著しく劣化させているのです。
コンセントスタビライザーCS-2Qを空きコンセントに挿入する事で、CS-2Qの優れた制振構造により、導通金具の共振を抑えます。
結果、ノイズや歪みの発生がなくなり、再生音が劇的に向上します。
また、DVDプレーヤーやプロジェクターの画質の向上にも高い効果が期待できます。

img_cs2q_01.jpg


なるほど・・・
確かに電源はノイズも出てますし、50または60Hzの振動は少なくとも発生しますので、
理にかなってますね。

と、いうことで試してみました。

consuta1.jpg

開いている口ならどこでもよいそうです。

不思議です。
ノイズが減ったというよりは、
音が安定して、ガサツキ感が一気に低減してます。

本来の電気製品が電源の振動で濁されていたのは本当のようです。

グッズ類としては費用対効果で考えますと
アンプやcdやチューナーでも電源入れる機器に全部貢献しますので
お買い得のアイテムのようです。

もしテスト試聴されたい方は是非当店ご来店ください。

アコースティックコンディショナー/その効果?

北関東のオーディオのアクセサリー専門のメーカー
アコースティックリバイブ社
<文字クリックでメーカー様ページに行きます>

かなり以前から、群馬県の伊勢崎市という土地柄で
とてもご近所のメーカー様ですので、色々と面倒を見てくださっていただいてました。

スペシャルグッズのCD消磁などの面白グッズたくさん発明されておりますが、

この数日前から社長様がじきじきにご訪問くださって
全面的にアコースティックリバイブ製品を取り扱いさせていただけるとの
お約束を頂戴できました。

前座でいくつかのサンプル品でテストまで、させていただけるので、
今回
アコースティックコンディショナー

アコースティックコンディショナー
[RWL-3]
理想的な拡散と調音を可能にしたルームチューニングの決定版、さらにマイナスイオン効果をプラスしました。
●寸法:665W×90D×1160H(mm) ●重量:6.2kg
●価格:88,000円(税別) 税込価格 92,400円
※自立用台座、壁掛け用金具付属

rwl2_img_01.jpg

この製品から視聴させていただきます。

私も食わず嫌いでして、自分で説明不可のグッズは、どうも敬遠していましたが、、、、、

ACRIBA1.jpg

この状態で聞きました。
勿論毎日聴いてますのでまあ良いのではないでしょうか?

ACRIBA2.jpg

ここにセットしてみました。

????!!!!です。

まず低音が輪郭がストレートになり
斜め横から聴いてもLRの音がちゃんと像を結び
片ほうだけに偏りません。

まるでヘッドフォンの定位感です。

これは驚きです。

ウッドホーンの箱鳴き音がうるさかったのですが、
これも消えました。

つまりホーン鳴きは乱反射音と勘違いしていたわけです。

ACRIBA3.jpg

スピーカー後ろの方は決して狭くありません、次のスピーカー面まで約2mありますが
これだけ効果出すので部屋の音というのは
まったくあなどれない物だと実感です。

過去はよっぽど定在波でもない限り無視していたのですが、
下手にアンプ入れ替えするより効果的です。

現在アコースティックリバイブ社の製品はHP注文フォーム作成中です。

ご注文はメールにてお待ちしております。

まずは一旦当店にて体感をしてくださいますようお願い申し上げます。

ヤマハのYSA-2改造を終えたGT2000

GT2000のオプションであるYSA-2というピュアストレートアームの、アームパイプを改造するお話を何度かに分けてお話してきました。

1 707

実際アームパイプの改造を終えた後の再生音は、改造前と比較にならないほどパフォーマンスが向上し、改めてアナログ再生の奥の深さを実感したという話までしたと思います。


今回の改造は、アームパイプの変更とヘッドシェルの変更が主で、その他の部分はほとんど変更がありません。

実際今回の改造によってアームパイプの剛性が大幅に向上した点と、不要共振の発生が抑えられた点が音質向上につながったと思います。

一般的にS字アームよりストレートアームの方が音が良いと言われる点も、この剛性による影響が大きいのではないでしょうか。

もちろんS字アームであっても、きちんと作られたトーンアームは下手なストレートアームよりも遥かに音がいいわけですので、形状がどうのという問題ではないと思います。

ただヘッドシェルの脱着が容易なS字アームの場合、リード線を変えて音質が大幅に影響する事からも、そこだけでも信号の接点が増えてしまう影響のほうが大きいかもしれませんね。



マニアの方の中にはスペック至上主義の方もおりますので、私が今回行った改造に関しては一切詳細データーがないため、パフォーマンスが向上したなんてそんなの気のせいだろうと片付けられてもおかしくありません。


ねじれ剛性が何%向上し、曲げ剛性は何%向上して、不要共振は何ヘルツでこれだけ減衰したなどという具体的数字が出れば、

「あ~なるほど音がよくなったのか!」

と納得する事もできるのでしょうけどね。


でも実際問題として、ねじれ剛性や曲げ剛性のスペックに再生音の音色までは表現できませんし、微小レベルの音の変化が何%向上し、音の表現力が何%改善したという話を聞かない事からも、この音の良し悪しに関しては実際聴いてみて判断する以外に方法が難しい面があります。

マニアの方なら経験あると思いますけど、

「これ音がいいね!」

とか

「これ音悪いでしょう!」

なんていう表現も、何がどのようにいいのか悪いのかなど気にせずに無意識に話している事もありますけど、実際そのようなあやふやな世界の話をしている事も珍しくなく、3.5%音がよくなったとか、8%音が悪いなんて話はしないと思います。

そのような意味では、たとえばスピーカーにしても、アナログプレーヤーにしても、基本的なスペックはある程度重要視される面はあるのですが、実際音の良し悪しの話となると、オーディオ機器としての機械とみるのか、あるいは音を再生する楽器的要素でみるのか、その両方に絡んでくる部分もあり、一概に結論付けできない難しさもありますね。



さてそんな能書きを語ってもらちが明きませんので、今回はアナログプレーヤー関係のお話を少ししたいと思います。

現在私が使用しているのはYAMAHAのGT2000ですが、アームは今までお話したようにオプションのYSA-2の改造版です。

このGT2000というターンテーブルですが、ご存知の方も多いようにダイレクトドライブの巨大なプレーヤーになります。

私がオーディオを始めたころは、国産のアナログプレーヤーの多くがこのダイレクトドライブという方式が主で、ベルトドライブは低価格モデル的なイメージもあり、一方超マニア向けのハイエンドモデルは糸ドライブという印象がありました。

一方話を海外へ向けると、その多くのモデルに逆にベルトドライブというものが多く存在していたように思いますし、実際それらの音が非常に高評価だったのも事実です。


もちろん駆動方式はこの他にもあるのですが割愛させていただきます。



さてこのGT2000ですが、外周を大きくとった巨大なターンテーブルが特徴で、大きな慣性質量を稼ぐ事ができるため非常に滑らかな回転を達成できる事などから、ダイレクトドライブプレーヤーとしては良質なレコード再生が可能です。

とはいっても所詮ダイレクトドライブですので、どうしてもDCモーターの音の振動が伝わってしまいやすく、手回し時と通電させて回転しているときの音の差が出てしまいます。

その点糸ドライブやベルトドライブのプレーヤーはACモーターで滑らかに回転しますので、より静かで滑らかな回転が可能であるため、音が良いとされるプレーヤーの多くがこの方式を採用しています。


最近はあまり見かけなくなりましたけど、滑らかな回転を得るためバケツみたいな巨大なターンテーブルの糸ドライブプレーヤーなんていうのもありましたが、あまり巨大化すると共振モードが下がり、ハウリングや外乱、そして駆動音の影響を受けにくくなるものの、それとは対照的に暗く沈んだ音色になりやすい事も事実です。

そのためその見かけによらず音がぱっとしないものも多くありました。


そのようなわけで、私も今まで様々なプレーヤーを手に入れようと画策するものの、YSA-2に惚れ込んでいたため、いまだにGT2000を使用しているのです。

でもやはりダイレクトドライブの音がどうしても嫌いで、ターンテーブルも少し改良を施しています。


LINNやトーレンスのプレーヤーなど、ベルトドライブ方式のプレーヤーの中には、インナーシャーシをベルトで駆動し、その上にターンテーブル本体を載せたものが存在します。

1e56c25311c.jpg


またモーターユニットを外へ出し、そこから糸やベルトで駆動する方式もあります。

3header4.png


どちらの方式もダイレクトドライブよりも静かで滑らかな回転が得られ、それが直接音へと影響します。

インナーシャーシを駆動する方式は回転の振動などを遮断しやすくできますが、同じベース内にモーターを抱える場合その影響を受けやすくなります。

そのモーターを外へ出して糸やベルトで駆動する方式は、モーターの振動などの影響を受けにくくなるものの、糸やベルトが直接ターンテーブル外周に接触しているため、そこから振動を拾いやすい危険性もあります。

もちろんどちらが優れているという話ではなく、それぞれうまくバランスを取れていれば良質な再生音が可能です。


その点ダイレクトドライブは非常に不利です。

GT2000の場合、巨大な外周のターンテーブルで慣性質量を稼いでいるとはいえ、良質なベルトドライブの音に比較するとちょっと・・・という音です。


私の使用しているGT2000は、外周まで大きく覆う純正のゴムマットが取り外されていますので、ダイレクトドライブのネガな影響もダイレクトに出てしまいます。

そこでターンテーブル上に薄いセーム側を乗せ、その上に薄いダンボールで製作した円盤を2枚重ねにして乗せ、その上にハードアルマイト処理のアルミ製のターンテーブルシートを乗せています。


この発想は、巨大なターンテーブルをインナーシャーシとして考え、ターンテーブルシートをターンテーブル本体として使えないかという思いからきたものです。

これはターンテーブルに出るダイレクトドライブの振動をある程度遮断するのが目的で、薄いダンボール2枚重ねはある程度のすべりも生じますので、一種のクラッチ的な要素を持ち、それでモーターのトルク変動をキャンセルしようとする意図もあります。

実際メタルシートや各種金属ワッシャー、フェルトやコルクなど様々な材料でフローティングさせる実験を行った結果で、今の状態の音が一番クリアーで微小レベルの信号の音まで良く聞けたからです。

もちろんこれにしてもこれが完成形ではないと思うので、今後改良を施す可能性は十分ありますけどね。


外周を糸ドライブにする考えもありましたが、これだけ大きな外周なので糸やベルトの振動が伝わりやすい可能性もありまだ試してはいませんが、これもターンテーブル本体をインナーシャーシとみなして考えれば十分可能かもしれませんね。



アナログプレーヤーの場合、ターンテーブル本体以外にアームやカートリッジ、ターンテーブルシートなどの組み合わせで音が大きく変わり、またセッティングしだいでは月にもすっぽんにも変わってしまう難しさはありますけど、どこをどういじってもそれがダイレクトに影響する点では、使用する人それぞれの音が出てくるものです。


でもそれでもアナログでしか聞けない音があるのも事実ですので、デジタルオーディオとはまた違った楽しみ方があるものですね。


とアナログの話をしているといつまでも話が出てしまいますので、今回はここで切り上げたいと思います。


それではまた次回。


YAMAHA GT2000とYSA-2

、GT2000のオプションであるYSA-2というピュアストレートアームの、アームパイプを改造するお話をしてきました。

1 695

アームパイプの変更に伴う視聴はYAMAHAのMC100というカートリッジをつけて行いました。

このカートリッジは前にもお話したように以前リファレンスとして活躍していたカートリッジです。

アームパイプの変更の後、ヘッドシェルを純正からオーディオテクニカ製に変更も行い、その圧倒的なパフォーマンスの向上に驚いたという話までしてきたと思います。



さてこれは心当たりがある方も多い事かもしれませんが、オーディオ機器のセッティングやチューニング、あるいは改造などの変更を行う度、その都度大きく音が変わる事を経験された方もいらっしゃる事でしょう。

しかしここに大きな落とし穴が隠れていて、変更の度音の変化に満足してしまい、気がつくとあらぬ方向へと変化してしまったなんていう経験をされたかたもいるのではないでしょうか?

結局元に戻したほうが一番音がよかったなんて、私も幾度となく経験した事があります。


今回YSA-2のアームパイプ回りの改造を行い、その劇的なパフォーマンスの向上を確認したわけですが、果たしてこれらは本当なのか?別な角度から確認してみなければなりません。


改造作業に夢中になり、自己満足で終わっていたという事だって考えられない事ではありませんからね。


そこで今回は現在のリファレンスカートリッジである、シェルターの501MrⅡを取り付けて視聴してみることとしました。

こちらの方が最近まで頻繁に使用していたカートリッジで、その音の傾向も耳によく馴染んでいますからね。


早速MC100からシェルターへ交換してみます。

カートリッジの交換作業も純正の時と同じ手順で交換できます。

そして取り付けが完了し、ゼロバランスをとってみたところ、明らかに軽すぎます。


純正アームパイプのときもギリギリゼロバランスが取れない重さでしたが、ヘッドシェル交換に伴いアーム先端部分にアルミをかませているし、シェル自体の重さも純正よりもわずかに重いはずです。

それでも純正と比べても明らかに軽くなってしまいました。

純正のバランスウエイトにしても、はじめに付いていたサブウエイトも既に無い状態なのですが、それでも軽すぎてバランスが取れないのです。

シェルターのカートリッジだってアルミボディーをまとい、特別軽いわけではありません。


そこでヘッドシェル上部にアルミの板をバランスウエイトとして貼り付けてみたところ、ゼロバランスが十分取れるようになりました。


1 705

でもこれじゃ見た目がよくありませんね。

それにシェル周辺は余計なものを貼り付けるのもできれば避けたいので、ステンのキャップスクリューボルトやアルミスペーサーで簡易ウエイトを付けてみればバランスは取れますけど、これもやはり見た目がよろしくありません。

そこで純正のバランスウエイトの軽量化を試みました。

バランスウエイトは砲金削り出しのムク材にメッキをかけたもので、その中身をドリルで少しくり貫き軽量化したのです。


そしてどうにかギリギリゼロバランスが取れるようになりました。


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さて、どんな作業をしたかなんてどうでもいい話で、結局音はどうなの?

本当によくなったの?

気のせいじゃないの?


そんな話も聞こえてきそうですね。


という事で、針圧調整も終わり、聞き慣れた愛聴盤をかけてみる事に・・・



あれっ???

これシェルターの501MrⅡだよね・・・


・・・・

えぇぇぇっ?

ん~~~


なに?

シェルターこんな音だったかな?

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いい加減肝心の結果はどうなの?


結果からいえば全く別なカートリッジに付け替えてしまったのかと思えるような激変ぶりです。




一発目の音が出た瞬間から音の透明度が全く違い、今まで聞こえてこなかった微小な音がよく聞こえてきます。


質実剛健で的確に音を出してくるカートリッジで、ふくよかな低域や煌びやかな輝きのような個性も無く、色付けや癖を感じにくい自然な音を感じさせるところが魅力ですが、そのような真面目さが面白みに欠けると感じる方もいるかもしれません。

それが質実剛健な面はそのままで、音の透明感や分解能が驚くほど向上し、繊細な表現力も別次元の音に変化しています。


今まで単調に聞こえてきた音の陰影や彫の深さなどが見事に表現され、一つ一つの音の微小な違いや強弱などの表現も別次元の音になっています。


今まで聞きなれてきたシェルターの音には違いないのですが、このカートリッジはこんなにも表現力豊かな面があったとは、いまさらながら気づくほどなのです。

それより今まで聞きなれていたはずのレコードの音が、まだこんな音が隠されていたのかという気づきもあります。


たとえばシェフィールドなどのダイレクトカッティング盤や50~60年代頃に収録されたレコードなど、ミキシングの関与が少ないソースの場合はまるでライブとさえ思えるほどの激変ぶりです。

もちろんミキシングや音を何度もコピーしたようなソースはそのような要素があからさまに出てしまいますが、それでもそのようなものだと思えば全く気になるどころか、逆に分解能の高さから新たな音が聞こえてくる事も多くなり、ジャンルを気にせず楽しめるようにもなりました。


今回の改造により、トーンアーム全体のウエイトは、アーム先端はもちろんバランスウエイトまで軽量化してますので、全体的には軽量化されています。

それに伴い同じ剛性バランスであれば相対的な剛性も上がるわけですが、アームパイプのカーボン化はそれだけでも剛性がアップしているはずですので、最終的には大幅な剛性アップに繋がっていると思います。

また固有共振などの減衰特性もおそらく純正時の時よりも向上しているのでしょう。


今までYSA-2のパフォーマンスの高さには十分満足していた事もあり、唯一気になっていたのはSMEのマグネシウムテーパー形状のアームぐらいで、他社のアームにはそれほど興味や関心を覚えないほど魅力的な音を出すアームだと思っていました。

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それほど惚れ込んでいたアームですが、心のどこかで何か引っかかるものがあったのも事実です。


今では入手が困難ですが、S字型ならSAECのアームぐらいで、基本的に接点が増える可能性のあるS字アームにもあまり興味もわきませんでした。


GT2000の場合純正S字アームもオプションのYSA-1ストレートアームも聞いてきたわけで、大きな不満を持つほどのネガな部分は少ないとはいえ、YSA-2はそれとは圧倒的に違っていたのです。


そのようなわけで、今まで最強じゃないかとさえ思っていたYSA-2ですが、でもそんなYAS-2ももはや別次元へと変化し、その変貌ぶりを実際体験してみると、アナログ再生の世界はまだまだ奥が深く、上には上があるものですね。




もちろんどんなにすばらしいターンテーブルも、どれほど感度のいいアームでも、すばらしい音のカートリッジにしても、セッティングがうまくなされなければ意味を成しませんし、ヘッポコピーなフォノイコライザーで聞いたって、その良し悪しさえ聞き取る事などできません。

どこかだけ一点豪華主義にしてもその良さが表れず、すべての要素がうまくバランスさせなければならない事もあり、そのような意味ではお金もかかるし手間もかかります。

それに様々なノウハウだって必要になります。


日々音が良くなりそれとは対照的に価格が安くなるデジタル機器とは違い、アナログ再生のコストは上がる一方ですが、そんなことを打ち消してしまう魅力的な音が聞けるのもアナログ世界の魅力でもあります。


お手軽に楽しむ事こそ困難ですが、今回アーム改造をしてみて、さらにアナログ世界の奥深さを実感しました。


そうなると次を考えてしまうのは・・・



GT2000のアームベースを変えれば、様々なアームを試す事もできます。

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また別な方向性として、良質な回転を誇るベルトドライブなどのターンテーブルという選択肢も出てきます。

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今時時代遅れの絶滅危惧種のアナログ再生ですけど、あるレベルを超えてしまう音を聞いてしまうと、その魅力から抜け出せないのも事実です。


そんな魅力に取り付かれた人達は、世界規模で見ると意外と多いのかもしれませんね。


という事で今回はここまで。


アナログの話を始めると限がなくなってしまうものですので・・・


YAMAHA YSA-2 アームパイプ改造3

GT2000のオプションアームであるYSA-2のアームパイプを改造するという話で、ドライカーボンのパイプに変えてその劇的な音質向上に驚いたという話までしました。

もう頭の中では純正アームパイプに戻す気などまったく考える必要もないくらいその音質効果が絶大でしたので、どうせなら他社のヘッドシェルを付けてみようと考えたのです。

ヘッドシェルの違いが音に大きな影響力があるのは何度も体験しているため、純正以外のヘッドシェルを試したくなったのです。

しかし一般的なS字アームなどと違い、ヘッドシェルはYSA-2専用品です。

もちろんオプションなんていうのさえありませんので、このアームの場合このヘッドシェル以外選択肢がないのです。

アームパイプへのヘッドシェル取り付け方法は、アームにかませてねじを締め付けて固定するだけというシンプルさです。

ストレートアームといってもYSA-2の場合ヘッドシェルに角度の必要性がないため、角度のつかない汎用のヘッドシェルでもOKなはずです。

ただそうなるとヘッドシェル取り付け部の金具をアームパイプ先端に取り付けなければなりません。

でも純正のようにアームにかませて固定できるのなら、ヘッドシェルとコネクト部分が分離できるタイプなら使えそうです。

そこでヘッドシェルを物色してみると、オーディオテクニカのAT-LHシリーズが分解可能な形状です。


以前S字アームを使用している頃は、様々なヘッドシェルを試したものです。

オーディオテクニカのヘッドシェルも、今のモデルの前身であるAT-LSシリーズは全て持ってましたので、ためしにAT-LH15を使用してみる事にしました。

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しかしアームにかませるとしても太さが少し違いすぎます。

コネクト部分の太さは11.6ミリほどあり、カーボンパイプは約8.6ミリですので、ちょっと太さが違いすぎます。

手持ちのアルミパイプをかぶせようと太さを測ってみたところ、約12ミリあります。

そこでコネクト部分をヘッドシェルから引き抜き、反対向きにカーボンパイプにかぶせてみたところ、多少ガタがありますけどうまく固定できるならいけそうです。

でもそうなるとリード線が繋がっているコネクト部分の中身が不要なため、中身を取り外しました。

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そしてカーボンパイプに逆さにかぶせるとなると、コネクト部分のアームに入り込む出っ張り部分が不要になるので切断します。

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さて次はカーボンパイプの先端へ固定するのですが、多少隙間があるため、一部アルミ箔テープでガタをとり、エポキシ系接着剤で隙間を充填して固めます。

でもただエポキシ使うのも芸がないので、アルミを削り、粉末になったアルミの粉を混ぜる事にしました。

これで音質向上だの強度アップに繋がるかなんてわかりませんけどね。

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そして出来上がったのがこれです。

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と、作業の話ばかりしても、結果的に音はどうなの?

これが一番重要なことなので、エポキシが固まるのを待ち視聴してみることにしました。


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ヘッドシェルを変えた影響なのか、それともアームパイプ先端部分の強度アップが効果的だったのか、その原因は断定できないのですが、こりゃ参りました。


もう完全にYSA-2の音を凌駕しています。

微弱信号のピックアップ性、分解能や音の透明感など、どこをとっても純正アームパイプを完全に凌駕しています。

今まで聞き慣れていたレコードの音にこれほどの音が隠れていたのかと思うほど、その感度は抜群に向上しています。

YSA-2はトーンアームとしては異端児的な要素を持ちますが、一般的なアームとしてみてもかなりパフォーマンスの高い部類に入ります。


今回ヘッドシェルの交換が主な目的でしたが、前回書いたように純正ヘッドシェルでのアームパイプの違いはすでにお話したとおりです。

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しかし今回は単純にヘッドシェルを交換しただけではなく、アームパイプ先端部分の強化も施しました。


おそらく両方ともこの音質向上に効果的だったのでしょう。


この仕様なら、他のオーディオテクニカのヘッドシェルも無条件で交換が可能ですし、コネクト部分を固定して、カートリッジキーパーに他のカートリッジを保管するなんてことも可能になりますね。

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今回の一連の改造に関して、視聴用に使用したカートリッジはYAMAHAのMC100です。

このカートリッジは以前リファレンスとして使用していたもので、徹底的にクリーニングを施したといえかなり古いモデルです。

多少くたびれているかと思いましたが、以前の現役時代のMC100でさえ到達できなかった領域にあっさり突入してしまいました。


またアナログの面白さを実感しています。


驚くほど効果がある方法とはいえ、私のように改造してしまうと、もう二度と純正には戻せなくなる可能性がありますのでお勧めできませんけど、どこをどういじってもダイレクトに反応するアナログの世界は楽しいものですね。


という事で今回はここまで。

次回は今のリファレンスカートリッジであるシェルターを付けてみての視聴です。

YAMAHA YSA-2 アームパイプ改造2

GT2000のオプションアームであるYSA-2のアームパイプを改造するという話までしました。

ちなみに純正のYSA-2はこんな仕様です。

1ysa-2.jpg

型式 ピュアストレートアーム
アーム型式 フルインテグレート・ピュアストレート
実効長 228mm
オフセット角 0゜
オーバーハング -20mm
適合カートリッジ自重 4g~14g
高さ調整範囲 10mm
ヘッドシェル アルミ切削アルマイト仕上げ
オーバーハング 調整可能、目盛付き
等価質量 26g




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さてはじめに汎用のアルミパイプを純正パイプと同じ長さに切って付けてみることにしました。


ノギスで測ると太さは0.1ミリほど太いので、差し込み部分だけ表面のアルマイトを削り落としたところ、ちょうどスムーズに差込ができるような太さとなりました。


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パイプの肉厚は純正よりもありますが重量的には純正パイプよりも軽いようで、どうしてもゼロバランスが取れないため暫定的にヘッドシェルへアルミ板を貼り付けてバランスをとりました。

さて肝心の音のほうですが・・・



これでいったい何の不満があるというのでしょう?



純正パイプといっても、私の使用しているのは中身のOFC単線やプラスチックのガイドを取り外されていますので、もはや純正とは呼べない状態ですが、アームパイプを汎用のアルミに変えたところ不要な共振が無くなったようで、微小音の表現が劇的に改善されています。

しかも力強さも感じさせる音に変化しました。


もともと感度のいいアームでしたが、感度のよさはそのままに、さらに微小レベルの信号の音をよく引き出すようになりました。


オーケストラなどパートが複雑な構成の音の分離もよくなり、今まで聞こえなかった細かい表現の音が聞こえてきます。


ジャズなどシンプルなアコーステック楽器の音も、微小な音の表現力も遥かに向上しました。


純正アームパイプよりも柔らかい材質ですが、肉厚がある分全体的な剛性が向上しているのかもしれません。

また不要な共振も純正パイプに比較すると少ないようで、そのあたりが音として現れているのかもしれませんね。

ただヘッドシェルにウエイトのアルミ板を乗せている事もあるので、その影響も見逃せないのも事実ですが、正直これで何が不満?といえる音に変化しました。



という事で、アームパイプの交換の効果に気をよくした私はしばらくそのまま聞いていたのですが、ほかにもドライカーボンのパイプが用意してありますので、とりあえずそちらも試してみる事にしました。


太さは0.2ミリほど細いので、取り付け部などに薄いアルミテープを貼り付けました。

パイプの肉厚は0.8ミリほどですので、アルミパイプに比べるとやや肉厚が薄いようです。

ただ剛性的にはカーボンパイプが一番のようです。


屁理屈はさておき音がどう変化したかが肝心ですよね。


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肝心の音はといえば、微小レベルの信号の表現力には驚きました。

今まで少し固まり的な音として聞こえていた音が綺麗に分離し、音の陰影がもの凄く改善されています。

不要共振は純正に比べては当然ですが、アルミパイプのときよりも優れています。

しかも感度もよくなって、音の切れやスピード感、また音の透明感なども遥かに違う次元です。

まるで別のカートリッジに変えたように、劇的に変化を見せました。

今まで聞き慣れていたレコードの音が、まるで別な音楽を聴いているようなイメージです。


どこをどういじってもダイレクトに反応するアナログの世界ですので、ヘッドシェルやリード線を変えても音が大きく変わる事を考えると、アームパイプの変更がダイレクトに影響するのはわかりますが、ここまで大きな変化があるとは正直驚きです。

時には良くなるところか逆に音が悪くもなりやすい危険性がありますけど、このカーボンパイプ仕様はもう病み付きになるような音ですね。

まだまだレコードにはこんなにも情報が隠れていたのかと実感します。



日々音質が向上し、それと相反するように価格が下がるデジタル機器とは違い、構成部分のほとんどが機械加工部品が多いアナログプレーヤーの場合、年々生産数が増大する事もないのでコストは上がる一方です。

ましてやソースであるレコード盤の入手も困難になっているわけですので、絶滅危惧種のアナログの世界はコストがかさむ一方かもしれません。


でもそんなアナログの世界ですが、未だに発展途上の状態ともいえます。


海外のメーカーなどが新素材を用いたアームなどをリリースしている様子からも、レコードの溝に込められた音をどこまで引き出せるのかという探求は未だに続いています。


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たとえばGT2000などの場合、アームベースが専用の特殊な形状のため、ポン付け取り替えられるアームは、純正のS字アーム、ストレートタイプのYSA-1 そしてピュアストレートアームのYSA-2の3種類だけです。


しかし今はGT2000用の汎用アームベースなどを製作しているところもありますので、社外品のユニバーサルアームを取り付ける事も難しくなくなり、そのような意味ではアナログ最盛期よりも選択肢が増えています。


私のようにアームパイプを改造するのは、正直純正品を破壊しているようなものなのでお勧めできませんが、アームベースを変えて他社のアームを搭載してみるのも面白そうですね。


ただGT2000の大きなネガな部分であるダイレクトドライブということもありますが、これも鳴らし方によってはその影響を低減させることも可能です。


アナログは鳴らす人によってまったく違った音になってしまうデリケートな世界ですが、今回アームパイプを替えてみて、アナログの世界の奥の深さをさらに実感しました。

これだからアナログやめられないのかもしれませんね。



という事で今回はここまで。


次回予告。

次ははカーボンパイプの効果を維持しながら、少し汎用性を持たせる方向へモディファイをしたお話をしますね。

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YAMAHA GT2000 YSA2 アームパイプ改造1

YAMAHAのYSA-2の軸受け部のメンテナンスを終わり、シェルターの501MrⅡカートリッジとヤマハのMC100の試聴についてお話をしました。


さて私の愛用しているYSA-2ピュアストレーレトアームは、アーム内部の配線材などを交換していますので、アームパイプ外部のみ純正という状態です。


純正の場合OFC単線と、それを束ねるためのプラスチックのガイドが入っていましたので、それである意味アームの鳴き止めの効果もあったと思います。


私のアームはこの中身が無いため、以前からアームの共振対策をあれこれと考えていたものです。

そこでアームパイプ外周に銅箔やアルミ箔テープを巻いたり、アルミのリングをかませたりして共振を変化させたりと、様々な方法を試してみました。

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日本国内の場合アナログ再生が絶滅危惧種的な要素もあり、今ではごく一部のハイエンドマニアの中でのみ生き残っています。

そのため国内メーカーからのアナログ関連機器の撤退はあっても、新機種のデビューという話は本当に少なくなってしまい寂しさを感じるものですね。


でもそのような中、世界規模で見ればアナログ再生はまだまだ根強いファンも多く、海外には数多くのアナログ機器をプロデュースするメーカーもまだまだ健在です。


そのようなわけで、今回はトーンアームについて少しお話をしたいと思います。



国内ではビンテージオーディオとして、ノスタルジックにアナログ再生を楽しまれている方も多くいますので、トーンアームもS字型などを今でも大切に鳴らされている方も数多くいます。

一方海外のメーカーのほとんどは、オルトフォンやSMEの一部を除き、その大半はストレートアームが主流です。

しかも様々な形状や素材を用い、ユニークなアイデアに溢れた数多くのモデルがラインナップしています。


たとえばマグネシウムのテーパー形状で世の中を驚かせたSMEのⅤなど、それまでにない斬新なアイディアを盛り込んで、それまでとは比較にならないほどのパフォーマンスを見せたアームなども登場しました。

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不要共振を徹底的に排除するため、ヘッドシェルをアームパイプと一体化し、ヘッドシェルの指掛けさえ付いていません。


その極端とも思える思想があのパフォーマンスを生み出したのでしょうね。


もちろんハイパフォーマンスアナログに関しては、海外の他のメーカーも負けてはいないようで、それぞれ独自のアイディアを盛り込んだアームを生み出しています。

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YAMAHAのYSA-2のピュアストレートアームも当時としては斬新な異端児的なアームでしたけど、こうして海外製のアームと比較してみると意外と地味な作りですね。

そして近年の主流といえば、アームパイプにカーボンファイバーなど新素材を用いている点です。


たとえばマグネシウムはアルミの2/3の重さでアルミと同じ強度を確保できますが、組織内部の酸化しやすさなどに問題点も多く、意外と手を出し難い材質です。

私はバイクのホイールにマグネシウムのものを使用していた事がありますが、アルミと比較すると圧倒的に軽く、別のバイクになってしまったかと思うほど操縦性に大きな影響を与えました。


トーンアームパイプにしても、先端の動きに対する追従性を考えた場合、軽量化は慣性質量の低減にもつながるため、できるだけ軽くしたいところもあります。

しかしその一方で、軽量化は剛性不足を招きやすくなります。

その剛性不足を補うために、マグネシウムやカーボン素材が用いられてきたのでしょう。


ドライカーボンの場合、鉄と同等の強度を得るには1/5ほどの重量で済み、内部損失もあるため振動の減衰にも優れているなど、ある意味トーンアームパイプの素材としては適切なものかもしれません。


YSA-2が発売された当時もカーボンファイバーという新素材は世の中にありましたが、当時はまだまだ特殊な新素材で一般的なものではありませんでしたね。


今ではその優れた特性から、F1マシンなどのレーシングカーののシャーシなど、強度が必要でしかも軽量化のために使われる事も多く、ラジコンなどの模型や釣竿、ゴルフクラブなど目にする機会も増えてきました。


私もバイクの軽量化のために、メーターステーなどにカーボンパイプを用いた事があります。



そんな事など考えていたら、YSA-2のアームパイプを替えたらどのような変化が出るのか試したくなったのです。


以前バイク用で使用したアルミパイプやカーボンパイプのあまりがあったので、見てみたところ純正アームパイプと交換できそうな太さのパイプがありました。

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右から純正パイプ、アルミパイプ。ドライカーボンパイプになります。

直径は純正が約8.8ミリ、アルミパイプが8.9ミリ、カーボンが8.6ミリです。

肉厚は純正が一番薄く、アルミが一番厚くなります。

重さは純正が一番重く、カーボンが一番軽くなります。


正確な試験データーはありませんが、曲げ強度や剛性で考えれば、純正が一番弱く、カーボンが一番強そうです。


YSA-2の軸受け部とアーム付け根本体の作りこみは手が込んでいますが、こうしてみるとアームパイプやヘッドシェルなどは、少しお粗末な感じもします。


今までパイプなどを持っていながらなぜ試さなかったのか、今更ながら不思議です。


アームベース部やベースに取り付ける部分など、GT2000シリーズの規格という縛りがあるためどうしても妥協しなければならない事もあったのでしょうし、アームパイプも他のアームに使用しているパイプの使い回しかもしれません。


そのようなわけで、アームパイプを変えるとどう音が変化するのかを試してみたいと思います。


という事で今回はこれまで。


次回アームを変えたときのレポートをお知らせいたしますね。

シェルター501MrⅡとMC100

アームの軸受けのベアリングを交換したところまで話をしました。


さて私のところでリファレンスカートリッジとして鳴らしているのは、シェルターの501MrⅡになります。

本音を言えばYAMAHAのMC100が交換針でもカートリッジが出なくなってしまい、その代替用に購入したのがシェルターになります。


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左がYAMAHAのMC100で右がシェルターの501MrⅡになります。


MC100は一度交換針をしたもので、これは2個目のカートリッジになります。

発売当時45000円という価格で、当時のYAMAHAにはMC1000などさらに高額なモデルもありましたが、それ以上にクリアーで力強く、繊細でスピードのある音がしていましたので、当時としては破格のコストパフォーマンスを誇るカートリッジでした。

インピーダンスは高くなりますが、空芯コイルの特徴で、癖がなく自然な音の出方も私の好みに合うものです。

クリーニングを施し久しぶりに聞いてみましたが、やはりいいですね。


シェルターの501MrⅡもMC100に非常に似かよった傾向の音ですが、鋳鉄の鉄心入りコイルは出力も少し大きく、力強さを感じさせますが、繊細さやスピードや切れではわずかにMC100の方が優れています。

またレンジ感もMC100の方が上手です。


MC100に比べればシェルターの501MrⅡは、質実剛健的な鳴り方で、的確に音を出してくるようなイメージです。

しかも鉄心入りのコイルを用いているにもかかわらず、癖のない非常に自然な音の出方も好感が持てます。

そのような意味ではMC100の代替にもなりえますが、できればシェルターの上位機種が欲しかったところです。

上位機種になれば繊細さや分解能、それにレンジ感もかなりいいので、そうなればMC100よりも優れた面がたくさんあるのは事実でしたけど、価格が倍以上といきなり高額になってしまうためにあきらめた経緯があります。


でも残念なのはYAMAHAのMC100が手に入らない事ですね。

当時はまだアナログ再生が末期とはいえ、まだまだ現役でいられた時代でしたから、これだけのパフォーマンスを誇りながら、当時45000円という価格で発売できていたのでしょうね。


これが今の時代なら、おそらく10万円越えのクラスに相当してしまうかもしれませんね。


アナログ再生なんて今では絶滅危惧種のようなものですので、カートリッジも非常に高額なハイエンドモデルか、比較的低価格の普及モデルに分かれやすいようです。

しかも高額機種だからといっても、必ずしも満足できる再生音というわけでもなく、意図的に個性的な音の出方を目指したものなども多くあります。


私はアームの形状の関係もありますけど、基本的に気に入ったカートリッジ以外は使う事がありません。

海外ではオルトフォンやSMEの一部を除き、ほとんどのメーカーのアームはストレートタイプが主流です。

一方国内のアナログマニアの中にはS字アームも人気があり、複数のアームを備えたり、S字アームでカートリッジを手軽に交換して聞き比べるなどの楽しみをされている方も多くいます。

私もS字アームのころは複数のカートリッジを持って、カートリッジを手軽に交換して楽しんだ事もありました。

またヘッドシェルやリード線を交換しただけでも音が変わるので、そのような楽しみ方もアナログの楽しみの一つです。

しかしMC100の前にリファレンスで使用していた、パイオニアのPC70という空芯コイルを持つMCカートリッジを使い始めてからは、あまり他のカートリッジを交換して聞く事が少なくなったように思います。

そのような意味ではカートリッジの交換が面倒な、ストレートタイプのアームでもぜんぜん気にならないのです。



さて前回YSA-2のアーム内部の配線の交換お話をしました。


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このアームGT2000のオプションでは最高峰のアームとはいえ、メーカー製のためコスト制限や汎用性の拡大のために妥協点も多く、感度のいいアームとはいえやはりそれなりのものでしかありません。

基本的にGT2000と共通のアームベース部分は、使用上都合がよくても音質的に最上を狙えなかった事もあるでしょうし、特殊な形状のアームであっても一般的な使用を前提にした面もありますので、どうしても厳しいところがあったのでしょう。

このアームの場合3点支持の軸受け部分以外は、そのような意味ではあまり魅力がない部分かもしれません。

もちろん適当に作られたものではありませんので、YAMAHAもそれなりに苦労された形跡が見受けられます。


でもこんなふうにバラしてみると、ここをこうしようかなとか、あれをこうしようかなど、様々な妄想が湧き上がってきます。

経年劣化でひび割れが生じているベース部分も修正兼改良を施したいところです。

たぶんベース部分はアルミ粉末入りのエポキシ系アルミ充填材を用いようかと考えています。


アームパイプも・・・ここはいろいろと手を加えられそうですね。

ついでにヘッドシェルも手を加えられそうな感じもします。

剛性アップと制振が目的ですので、いろいろ考えが尽きませんね。



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いろいろ実験してみると、どこが音に大きく影響するのかも見えてきます。


どこをどういじってもダイレクトに音に影響するのがアナログの良さであり難しい点です。


時にはいじる事に満足してしまい、結果的の音質を劣化させてしまう事も少なくありません。



きちんと鳴らせるようにセッティングから始まり、チューニングポイントも多岐に渡るため難しい事も多いのですけど、アナログにしか出せない緻密で繊細な空気感を感じる音を知ってしまうと、なかなかやめられないのも事実ですね。


と、アナログの話になると話が尽きなくなりそうなので、今回はここまで。


最近海外メーカーのターンテーブルやアームが気になって仕方がありません。


また妄想に悩まされています。


YAMAHA GT2000 YSA-2 メンテ

前回のブログでは、YAMAHAのGT2000に搭載されているYSA-2というピュアストレートアームの軸受けに関して、小改造のテスト直前まで話したところ、軸受けのボールベアリング球を紛失してしまい、現在専門の問屋へ発注したところまで話しました。

そして古いオンボロプレーヤーを引きずり出し、YAMAHAのMC100をクリーニングして鳴らすところまで話しました。

しかし結果からいえば、おんぼろプレーヤーの回転が非常に不安定で、なかなかまともな音を聞く事ができません。

そのようなわけでしばらくCDばかり聞いていましたが、念願のアーム軸受けのベアリング球が届きました。

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本来なら直ぐに取り付けて視聴と行きたいところでしたが、しばらく鳴らしこんでいなかったYSA-2のメンテナンスも同時に行おうと考えました。


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以前買い込んでおいたアーム内ケーブルも同時に交換しようと思ったのです。

長年の使用で外皮もわずかに硬化していたし、見た目も汚れが付着していましたからね。

そこで細かい作業になるので実態顕微鏡での作業となります。

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YSA-2のほうもばらばらに分解して、ケーブルを通し直します。

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私のYSA-2はカートリッジからアンプの入力端子までの接点をなくした繋ぎ方ですので、アーム内にあった純正の無酸素銅の単線を束ねたものなども取り出していたため、アーム単体が非常に軽くなってしまい、YAMAHAのMC100の時はギリギリゼロバランスが取れましたけど、シェルターの場合わずかに軽く、ゼロバランスも取れない問題がありました。

そのため1グラムのメモリをゼロとみなしてバランスをとっていましたが、以前から気になっていたアームの先端の方も少し手を加える事にしました。


内部配線材を取り除いたため、ウエイトが軽くなっただけではなく、その線材を固定するために入っていたプラスチックのガイドなども取り除いていたため、アームパイプがカンカンと鳴り易くなっていたのです。

そこでこの鳴きを抑える事とウエイトを増やす目的で、手を加える事にしました。


もうかなり昔の事になりますが、私がオーディオを始めて間もない頃、名前は忘れましたがあるオーディオ評論家の方が、雑誌にアナログプレーヤーの改良記事を載せていました。

そこにはアームやシェルなど様々な部分の鳴きを押さえるという意味で、ブチルゴムを貼り巡らせて鳴きを抑えるというものでした。

雑誌にはすばらしい評価が書かれていましたので、当時の私もブチルゴムを買い込みペタペタと貼り付けたことがございます。


結果はといえば、不要な共振を抑えるわけですので、音が全体的に静かになりました。

・・・しかし・・・


何か物足りない・・・


聞こえていた音が聞こえなくなり、モゴモゴボテボテのゴムのような音になり、音楽の躍動感まですべて失われた音となってしまいました。

そのような経験から、不要振動を避けるために極力ゴムに頼るのはやめようと思ったものです。


これとは逆に重くて硬いもので不要振動を抑える方向性もあるのですが、繊細で敏感に音に反応するアナログプレーヤーの場合、硬くて重いもので振動を抑えると、暗く沈んだ音色になりやすく、これもやりすぎるとよくない結果につながります。


そのような意味では、材質の固有の音がダイレクトに反映されやすいアナログプレーヤーは、そこが楽しい面であり、また難しく迷宮への入り口という悩ましいことになるのですけどね。


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上の画像ではクリーニングを済ませたYAMAHAのMC100を取り付けて鳴らしているところです。


アームにリング状のアルミをかませ、アームパイプの共振モードを変化さる実験をしているところです。


またケーブルをカートリッジからアンプまで直付けで繋ぐ場合、非常に細い線を使用すためできるだけ短くつなげられるようにしたいものです。

また細いケーブルといってもそれなりにテンションがかかるため、ゼロバランスをとっている状態で、アームの前後左右の動きに制約が生じないように引き回さないと、逆に音質を劣化させてしまう事もあるので注意が必要です。

このケーブルの制約は、引き回し方によってはインサイドフォースキャンセラー以上に強いテンションがかかるので、非常にデリケートな部分なのです。



という事で、ベアリングを変えたYSA-2の音はすこぶるゴキゲンな音で、やはり軸受け部の空洞にアルミ材を固定したためか静かになる事も確認できましたので、いずれアームベース部も手を加えたい部分です。

ケーブルの引き回しも以前に比べてテンションがかかりにくいため、音の透明感が劇的に改善され、微小でで繊細な音が聞き取れるようになってきました。


久しぶりにMC100の音も聞いてみましたが、多少くたびれているとはいえ、緻密さと繊細を併せ持ち、切れとスピードのある活発な音を聞かせてくれます。




アナログ再生の場合、ポイントをきちんと抑えた鳴らし方をしないとまともな音を再生する事ができず、手軽で誰でもお勧めですとはいえません。

しかしそんな難しい面はあるのですが、つぼを押さえたときの音楽は、いつまでも聴き続けていたいと思う快楽をもたらせてくれます。

そんな音が出て来るから、いまだにアナログをやめられないのですけどね。


ステレオサウンド誌183号

おかげ様で無事新ホームページ可動しております。
是非ご参照ください。

ステレオサウンド誌が183号の見本誌が到着しました。

sutesan183.jpg

特集は
現代パワーアンプのサウンドイメージ
です。

当店の広告はP369の上です。
御覧ください。

P283にて
ピアニスト*小山 美稚恵さんの記事ございました。
ほんの1枚しか写真ございませんでしたが、
なんと、ゴトウユニットのマルチシステムのユーザーのようです。

驚きです。

中低音ホーンはYL社のMB90になってますが、
その上ユニットはゴトウユニットの37パイと16パイの様子です。

この記事も是非ご覧ください。

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