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The Funk Film Achromat ターンテーブルマット

前回 前々回と,イギリスのアナログプレーヤーメーカである、The Funk Firm 社製のAchromatというターンテーブルのお話をしました。

The Funk Firm Achromat, (thin) mat 3mm


今までリファレンスターンテーブルマットとして、うちのプレーヤーでは百戦錬磨の不動の地を築きあげてきたオーディオテクニカ製の、ハードアルマイト処理のアルミ製ターンテーブルマットを、ほんの数秒で秒殺してしまったお話をしてきました。

とにかく微小レベルの信号ほどその違いが大きく現れ、いかに今まで聞こえていなかったのかと実感しています。


とにかくその領域での能力は非常に高く、まるでカートリッジをグレードアップしたのではとさえ思うほど、繊細なニュアンスを伝える音が聞こえてくるのです。


1 074



さてこのターンテーブルマットがなぜこのような効果を表すのか、簡単に説明いたします。


アナログ再生をされている方ならご存知の方も多いと思いますが、わずか数グラムという非常に軽い針圧の掛かるレコード盤の上では、先端が鋭く磨かれたダイヤモンド針が、ナイロンでできたレコード盤気刻み込まれた溝をトレースしていますね。


その針の先端ですが、針圧は数グラムと非常に軽いものの、ダイヤモンド針の先端は非常に細いため、単位面積あたりの加重という観点で見れば、とてつもない重力がかかっています。


しかも移動してトレースするレコード盤の溝は柔らかいため、固いダイヤモンド針と接触すると、レコード盤の溝もゴムのようにグニャリと大きく変形します。


そして針が通過した後固有の弾性の効果で、変形した溝はまた元の姿に戻ります。


そのような事だけでもレコード盤には振動が発生しますので、レコード盤自体も共振を起こします。


ディスクスタビライザーなどのアクセサリーも、レコード盤の固有の共振を抑える効果があるため売られています。

もちろんターンテーブルマットにしても、この共振を抑える目的で振動を吸収して音をクリヤーにする目的のもの、またメタル系など硬質な材質を用いて、振動を吸収するのではなく逆振動を跳ね返して音をクリヤーにしようとするもの、またはプラッターの固有共振を遮断する目的のものや共鳴を抑える目的のものなど様々なものがあります。


当然柔らかいレコード盤が、メタルのプラッターに触れて傷を付き難くする目的もあります。


そのような様々な種類のターンテーブルマットが市場にあり、使用するターンテーブルのプラッターとの相性というのもあるため、どのマットが最高でどのマットが最低だとも言い切れない面があります。


しかしThe Funk Film 社製のAchromatは、ミクロの小さな気泡がある特許取得済みの特殊な構造を持つ材質により、レコード盤上に発生する不必要な不要共振のみを抑え、レコード盤に刻まれた信号を極力引き出そうと研究開発された製品です。

また様々な種類のプラッター単体が持つ、固有の共振や振動などをレコード盤へ伝へ難くするという面でも、非常に優れた効果を表します。


これはゴムやフェルトなどの柔らかい材質だと、必要以上に音となる振動を吸収しすぎたり、また振動自体が減衰しきれないで余韻として残る事もあります。


一方メタル系に代表されるハード系は、振動吸収能力は非常に低いので、不必要に音を吸収してしまう事はないものの、逆に固有共振の発生がしやすくかつ減衰し難い点があり、プラッターとの相性によっては逆効果ということにもなりかねません。



ちなみにうちのプレーヤーのプラッターは、慣性質量を稼ぐために外周が大きく重いプラッターが付いていますが、外周まで覆う大きな純正のゴムマットを外してしまうと、単体で叩くとチーンと響きやすい特性を持ちます。

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アルミや真鍮などの重量のある金属マットを載せれば、共振周波数の違いで鳴き自体は収まるものの、ダイレクトドライブ特有の濁り音も出てしまします。


そのようなプラッターへThe Funk Film 社製のAchromatを直接載せると、プラッターの響きを抑える事はできないものの、その影響がカートリッジに拾われ難いのです。


振動や共振をうまく吸収するからといって、ゴムやフェルトのように鈍い音はしませんし、逆にメタル系のマットよりクリアーで切れやスピードだってあります。

しばらくターンテーブルマットなど蚊帳の外の話と思っていましたが、時代の流れとともに近年のハイエンドアナログ再生の世界も、日本市場ばかり見ていると時間が昔から止まったような状況ですけど、世界ではやはり時代とともに進化し続けているのですね。


今回サンプルとして送っていただいたものは、前にも話しましたように、薄いプラッターやアームの高さ調整ができないプレーヤーなどでも使用できるようにと、厚みを3ミリに抑えたタイプのものです。


本来は推薦標準仕様の5ミリ厚のマットの方が効果が的確に現れやすいそうで、使用可能な限り5ミリ厚を推奨されています。


そのような意味では3ミリ厚は条件としては最高峰の状況ではないものの、これだけの効果が現れるというのは、やはり尋常ではない優れものなのかもしれませんね。


とこのように死角なしにみえるThe Funk Firm 社製のAchromatの粗を探してみましょう。



まず、手の持った感じは非常に軽く重量感もありませんし、金属などのような硬質感もありません。

重さイコール金額という発想が沸く方には、正直ボッタクリと罵声を浴びせられそうなほどチープ感が漂います。

それに有名メーカーブランドのロゴも入っていませんから、友人知人オーディオマニアの仲間に対して自慢すらできません。

超高額品であれば所有しているだけで満足感に満たされるものもありますが、それなりの価格もしますし安物ではないものの、高額の良い物を買ったぞと所有しての満足感も気薄です。

また特別煌びやかな音色になるわけでもなく、重厚で押し迫るような低音を増幅させるわけでもなく、切れのある音は切れ味良く、柔らかい音は柔らかく、小さな音は小さく繊細に、大きい音はダイナミックにただ鳴るだけで、あくまでもレコード盤に刻み込まれた信号を、忠実にカートリッジに拾わせる手助けをしているに過ぎません。

そのような意味では面白みにかけると感じてしまう人にも、やはりお勧めできるものではないでしょう。

また往年の名機が奏でるノスタルジックなサウンドを望む方にも、必要以上に音を拾い出してしまう事になりますので、当時のままの当時の音を望むという方にもお勧めできないでしょう。

それと細かい微細な信号を全く気にしない方、あるいは聞き取れる感性を持ち合わせていない方にも、無用の長物といえそうです。


ただレコードにはどれだけ情報が刻み込まれているのか、そのあたりに情熱を燃やす事のできる好奇心旺盛な方には、これはたまらないような音の世界が待っている事でしょう。



さてターンテーブルマットという、アナログの世界でも脇役的なアクセサリー用品ですが、さすがに絶対的なユーザー数は少ないため、国内のメーカーでは、扱うところや新製品を出すところも極わずかです。


しかし海の向こうでは今でもハイエンド機種がメインですが、以前ほどではないので絶対数は多くありませんが、ハイレベルなオーディオマニアが手を出すジャンルとして今でもアナログ再生は活気があるようです。


実際 The Funk Film 社でも自社開発のアナログプレーヤーを持っていますし、長期にわたり研究された独自の理論を持つトーンアームや、LINNのLp12を劇的にグレードアップさせる、LINN純正グレードアップキットを凌駕するような内容のグレードアップキットもラインナップしています。


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今回はThe Funk Film 社製のAchromatというターンテーブルマットについてのお話でしたが、ターンテーブルやトーンアームに対する姿勢も並々ならぬものがあり、このあたりは日を改めてお話したいと思います。

時代の進化とともにアナログオーディオの世界も日々進歩しているのですね。


アナログオーディオといえば、時代遅れの懐古趣味として見られてしまう事もあるのですが、手間も技術もノウハウもお金もかかりますし、お手軽に楽しみにくい難しい面はありますけど、海外ではハイレベルなオーディオマニアだからこそ手を出せる世界という概念も、これらの開発姿勢など見ると納得できてくるものです。


と長くなってしまいましたので今回はここまで。


次回また楽しいお話をしたいと思います。


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