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マルチアンプかネットワークか

みなさんもご存知のように、スピーカーユニットには様々な口径のユニットが存在しています。


一般的なコーン紙を持つ振動版を持つスピーカー説明もないのでしょうが、ホーンユニットを鳴らすためのドライバーにも1インチ 1.5インチ 2インチとあるように、それぞれその大きさのユニットが存在します。


当然表面積の大きさに比例して、その得意とする再生周波数帯域は異なるわけで、ワイドレンジの広帯域の再生を狙うのであれば、当然マルチユニットのシステム構成となります。


シンプルにフルレンジユニット一発での再生を好む方も多くいるように、必ずしもマルチシステムの方が大いに優れているわけではありません。


たとえば有名なダイヤトーンのP610という16センチユニットを、平面バッフルというシンプルな方式で鳴らしたとすれば、低音の量感もそれほど感じることもなく、また抜けるような綺麗な高音域の音色が出るわけではありません。


しかしそこから聞こえてくるアコースティック楽器の質感や、人の声の質感の高さは、既存のスピーカーシステムと比較してもむしろ圧倒的に優れていることが多いのです。


そのためそのようなフルレンジユニット一発という再生に拘るマニアの方も多くいるのです。

EAS-20PW09

ナショナルEAS-20PW09<20フルレンジ>

一般的にフルレンジユニットは低音から高音までを広帯域に受け持つため、その振動板の大きさは12センチ~20センチ程度の口径が主流で、中にはJBLの130のように38センチクラスというものもありますが、これはワイドレンジなウーハー的な要素が強く、このユニット1発ではさすがに音楽を楽しむのは厳しいです。

D130

JBLD130


またフルレンジ一発の場合、ローエンドもハイエンドもマルチシステムには到底適わず、また見た目的にも貧弱な事もあり、正直知人や友人などをリスニングルームへ招待しても自慢の種にさえなれないかもしれません。


フルレンジの良さは知られてはいても、ユーザー側の所有感を十分満たす事も難しいため、商業的には一般的に発売されているスピーカーシステムを見ていただければわかるのですが、よほど安いスピーカでもない限り、12センチウーハーとツイーターの組み合わせのように、マルチユニットのスピーカーシステムが大半です。




さてそこで広帯域再生を目指し、2ウエイ~5ウエイとマルチシステムへと進むようになります。

一般的なスピーカーシステムの場合、2ウエイ~4ウエイのユニットを一つのBOXに入れて組み上げられ、主にLCR共振回路を用いたネットワークを通じ、アンプの信号を各ユニットに適切な周波数分割を行っています。

また別な方法としては、チャンネルデバイダーなどを通じてパワーアンプにはじめから周波数帯域を分割した信号を送り、各帯域のユニットを一つのアンプで直に駆動するというマルチアンプという方法もあります。



さてこの二つの方法、いったいどちらが優れているのか?どちらでシステムを組むか悩んだ方も多いのではないでしょうか?

単純な効率的な面で見れば、マルチアンプの方が、各ユニットの駆動に適したパワーアンプを組み合わせる事も出来ていいのですが、チャンネルデバイダーや各ユニット毎にアンプを用意しなければならず、必然的にコスト高になるのは避けられません。


既存のスピーカーシステムを、内臓のLCRネットワークを通じて鳴らす分にはそれで事が足りるのですが、もちろんそこはコストという壁もあり、必ずしも最良の状態とも言えません。


そこで自作派の方なら自分でネットワークを組み直す方もいるでしょうし、特にユニットを別々に購入して組み上げる場合は、ネットワークでつなげるか?それともマルチアンプで行くかと悩んだかもしれませんね。



実はここが運命の大きな分かれ道で、マルチアンプ派の方、ネットワーク派の方と、それぞれ主義主張や信念が生まれるところでもあるのです。


単純なコスト計算やとっつき易さでいえば、コイルやコンデンサや抵抗で組み上げられる、単純なLCR回路のネットワークが有利ですが、一般的教科書に載っているスピーカーユニットを固定抵抗とみなした計算式では、その殆どが役を成さない場面も多く、うまくユニットをクロスさせられずに、それゆえにLCRネットワークはよろしくないとさじを投げてしまう方も非常に多いのです。


もちろんフルレンジにツイーターを繋げるような場合であれば、適切な値のコンデンサだけで済む場合も多いのですが、ウーハーとミッドレンジ、それにツイーターなどのマルチユニットのネットワークを製作するにしても、安価なコイルやコンデンサから高価なものまであり、ひとつのネットワークの原価コストが10万円以上なんていうのはざらにあります。


そうなるとマルチアンプの場合はどうか?ということになります。

マルチアンプの場合途中にチャンネルデバイダーという機器が介入するため、機種によってはクロスさせたい周波数や、6db 12db 18dbと、そのカットさせる周波数カーブを任意に設定できるため、その利便性ではLCRネットワークよりもはるかに容易です。


しかし先ほども話したように、チャンネルデバイダーやパワーアンプを数台用意しなければならないため、コスト的にどうしても高額になります。

またユニットに対して適切なクロスをさせようとした場合、LCRネットワークのように細やかな微調整が利きにくく、そのため一体感のある音とかけ離れてしまう事もあります。


それぞれ一長一短があるわけで、ここが選択を難しくしている部分です。


中には適切なクロスポイントを探るためにマルチアンプで繋ぎ、最終的にLCRネットワークで組上げる方もいるようです。


これは私の悪しき先輩の事例ですが、先輩はアルテック515の16Ωウーハーに、8Ωのマクソニックのホーンと励磁ドライバー、そして励磁ツイーターをネットワークで繋いで鳴らしているのですが、このアルテックの515の切り方なのですが、基本的に8Ω対応の乗数のコイルやコンデンサに近い値で、500Hzでクロスさせていました。


実はここがネットワークの難しい部分で、ユニットに信号を送ると動的インピーダンスという常に変動状態にあるわけで、ウーハーなどならそのBOXの形状や容積、ドライバーなら組み合わされるホーンの形状や大きさによっても変わります。


そのため計算通りにクロスさせるのが難しいのですが、コイルやコンデンサの乗数の微調整や、インピーダンス補正回路による微調整が出来る点がネットワークの繋がりの良さのメリットでもあるのです。


ただLCRネットワークを突き詰めていくと、知識や経験やノウハウなど、技術面での要求も大きいため、単純なLCR共振回路というだけでは済まない部分も多くあります。


一方マルチアンプの場合コスト高にはなりますが、ある程度決められたクロスを容易に行え、しかも好みの音色のアンプさえ組合わせることも出来るので、自分流の音作りも容易に達成できます。



さてマルチアンプとネットワークどちらがいいものか?


目的は同じでも、そこへ至るには様々な方法があるのもオーディオの楽しさでもあり、また難しい部分でもありますね。


これだからオーディオから足を洗えない人が多いのかもしれません。

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